70代を迎えると、これからの時間をより豊かにするために「終活」を意識し始める方も多いのではないでしょうか。
その第一歩としておすすめしたいのが「断捨離」です。
身の回りを整理するなかで、自分にとって本当に大切な物が見えてくるでしょう。
独身の方や子どもがいない夫婦の場合、断捨離や終活を進めるなかで「自分の死後、財産はどうなるの?」という不安を抱えることがあるかもしれません。
そんな方のために、この記事では、70代が無理なく断捨離を進めるための具体的なステップや、つまずきやすいポイントと解決策、残された財産を社会貢献に役立てる「遺贈寄付」という選択肢について紹介します。
70代のための断捨離実践ガイド
70代になると、体力的な負担を考慮しながら、効率的に断捨離を進めることが重要です。
ここでは、スムーズに断捨離を進めるためのステップを4つ紹介します。
ステップ1:まずは現状把握!家の中をくまなくチェック
断捨離の第一歩は、家の中にある物を把握することから始まります。
部屋ごと、あるいは衣類、書籍、食器などカテゴリーごとに分けて、リストを作成してみましょう。
リスト化することで、自分がどれだけの物を持っているのかを客観的に把握できます。
また、各部屋や収納スペースの写真や動画を撮っておくのもおすすめです。後から見返すことで、整理前後の変化を視覚的に確認でき、モチベーション維持にもつながります。
ステップ2:取っておく?手放す?断捨離判断基準を持つ
物を捨てるかどうか迷うとき、具体的な判断基準を持つことが大切です。
「1年以内に使っていない物」「壊れている物」「重複している物」などは、手放すことを検討してみましょう。
思い出の品は、写真に撮ったりデジタル化したりすることで、形を変えて残すことができます。
どうしても捨てられない物は、家族に相談したり、一部だけ残すなど、柔軟に対応しましょう。無理に捨てる必要はありません。
ステップ3:処分方法を理解する
処分方法は、「捨てる」「売る」「譲る」「寄付する」など様々です。
自治体のごみ出しルールに従って処分する方法が一般的ですが、リサイクルショップやフリマアプリで売却したり、友人や知人に譲ったり、寄付するという方法もあります。
不用品回収業者に依頼する方法もありますが、費用がかかるため、事前に見積もりを取り、比較検討することが重要です。
最近では、インターネットで簡単に申し込める不用品買取サービスも増えており、自宅まで集荷に来てくれるため、70代の方にもおすすめです。
ステップ4:デジタル機器も断捨離
パソコンやスマートフォン内の写真、動画、メールなども整理の対象です。
不要なデータは削除し、大切なデータは外部ストレージにバックアップを取ってください。
デジタル機器に不慣れな方は、家族に手伝ってもらうのも良いでしょう。
また、パスワードはまとめて管理し、家族がアクセスできるようにしておくことも重要です。
デジタル遺品対策として、信頼できる業者に相談するのも一つの方法です。
これらのステップを参考に、ご自身のペースで断捨離を進めてみてください。無理なく、少しずつ進めていくことが、成功の秘訣です。
70代が断捨離でつまずきがちなポイントと解決策
70代になると体力や気力の衰えから、断捨離の途中でつまずいてしまうことも少なくありません。
よくある問題点と解決策を事前に知っておくことで、スムーズな断捨離を実現できます。
体力的な負担
重い家具や大量の衣類を1人で整理するのは大変です。
無理せず、家族や友人にお手伝いをお願いしましょう。業者への依頼も選択肢の一つです。
また、休憩をこまめに挟み、無理のない範囲で進めることが大切です。
思い出の品への執着
長年大切に保管してきた品々を手放すのは辛いものです。本当に必要な物か、冷静に見極めましょう。
写真に撮ったりデジタル化したりして、形を変えて残す方法もあります。どうしても手放せない物は、無理に捨てる必要はありません。
モチベーションの維持
長期にわたる断捨離は、モチベーション維持が難しい場合もあります。目標を明確にし、達成したらご褒美を用意するなど、工夫してみましょう。
整理前後の写真を比較するのも効果的です。
70代のための断捨離リスト
断捨離を始める前に、「残す物」と「手放す物」の基準を明確にしておきましょう。
70代にとって必要な物、不要な物の例を挙げているため、判断の参考にしてください。
権利証書、保険証券、医療証、年金手帳など、生活に不可欠な物 | |
日常生活でよく使う衣類、食器、調理器具など | |
写真アルバム、手紙、旅行の記念品など、心の支えとなる物 | |
思い出の記録、大切な情報として保管が必要な物 | |
趣味を楽しむため、生活を豊かにするために必要な物 | |
薬、健康器具、介護用品など |
衣類、バッグ、靴、家電、書籍など、今後使う見込みが少ない物 | |
修理が不可能な家電製品、破れた衣類、使えない日用品など | |
同じ用途の物が複数ある場合、必要な数だけ残し、残りは手放す。トイレットペーパーや洗剤など、必要以上にストックしている物は整理する | |
食品、医薬品、化粧品など | |
今後着る予定のない衣類 | |
デジタル化して保管している場合は、紙媒体の物は処分を検討 | |
大切な書類以外は処分、保証期間の過ぎた保証書は保管の必要性を見極める | |
大型家具、重い食器、大量の書籍など |
迷った場合は、「本当に必要か?」「今後使う可能性があるか?」を自問してみましょう。
手放すことで、より快適な生活空間を手に入れることができます。捨てる以外にも、売る、譲る、寄付するなどの方法もあります。自分に合った方法を選び、断捨離を進めていきましょう。
断捨離後の生活は?70代で断捨離を行うメリット
断捨離を終えた後、あなたはどんな生活を送りたいですか?物が減り、すっきりとした空間は、心にもゆとりが生まれます。
断捨離を行うことで住居が整頓され、物につまずく危険性が減り、転倒リスクを軽減できる、災害時の避難もスムーズになるなどのメリットが得られます。
また、物への執着が減ることで心が軽やかになるだけでなく、体力的な負担も軽減され、穏やかな日々を送ることができます。
不要になった物を寄付することで、社会貢献につなげることもできます。誰かの役に立つという喜びによって、充実感を感じることができます。
断捨離は、単に物を減らすだけでなく、生活の質を高め、心豊かに過ごすための第一歩です。快適で安心な暮らしを手に入れ、充実したセカンドライフを送りましょう。
断捨離で気付く70代からの社会貢献という選択肢
断捨離と同時に自分の財産の整理を行うなかで、財産の使い方に悩むこともあるかもしれません。
特に法定相続人がいない方は、その財産は国庫に帰属します。
もし財産の遺し方について考えたり、人生最後に社会貢献したいと考えたりした場合は、「遺贈寄付」も視野に入れてはいかがでしょうか。
「遺贈寄付」とは、自身の財産の一部または全部を、特定の団体(個人)に無償で譲与することで、あなたの想いを未来へつなぐ方法の一つです。
大切にしてきた美術品や書籍、あるいは資産の一部を、社会のために役立てることができます。寄付先は、美術館、図書館、学校、病院、NPO・NGO法人など様々です。
自分が大切に集めてきた財産を、必要としている人や団体に届けることで、社会貢献への想いを形にできます。
それは、未来への投資であり、次世代への贈り物とも言えるでしょう。遺贈寄付は、人生の集大成として、大きな意義を持つ選択です。
より詳しい情報は、「遺産寄付はじめてガイド」で紹介しています。ぜひご覧ください。
70代の断捨離をサポートする便利なサービス
70代の方がスムーズに断捨離を進めるための、便利なサポートサービスもあります。
- シニア向け整理収納サービス:プロの整理収納アドバイザー1が自宅訪問し、一緒に断捨離を進めてくれる。体力的な負担を軽減し、安全に作業できる。
- 不用品回収サービス:少量の不用品から、大型家具まで、様々なニーズに対応。
- 遺品整理業者:生前整理や遺品整理をサポート。遺品整理に特化したサービスで、安心して任せられる。
- デジタル遺品整理サービス:パソコンやスマートフォン内のデータ整理をサポート。
これらのサービスを賢く活用し、快適な断捨離を実現しましょう。
70代のための終活に役立つ行政サービス
終活に関する様々なサポートを、自治体が提供していることを知っていますか。
多くの自治体では、終活に関する相談窓口を設け、専門の相談員が個別相談に応じています。
自治体によってはエンディングノートの書き方講座や、遺言・相続に関するセミナーなども開催されている場合があります。
また、断捨離や遺品整理を支援する補助金・助成金制度を設けているところもあるため、お住まいの自治体のホームページを確認するか、窓口に問い合わせてみましょう。
行政サービスを活用することで、経済的な負担を軽減しながら、安心して終活を進めることができます。
70代の終活は何をすべき?
終活は、年齢に応じてやるべきことが変化します。70代は、人生の集大成として、自分らしい終活を進める時期です。
70代では、体力や気力の衰えを考慮し、早めの準備が重要です。まずは、身の回りの整理(断捨離)から始め、徐々にエンディングノートの作成、遺言書の作成、葬儀の希望などを整理していきましょう。
デジタル遺品についても、対応を検討しておく必要があります。パソコンやスマートフォンのパスワードを家族に共有したり、デジタルデータの整理方法をまとめておくことが大切です。
また、介護や医療に関する希望を明確にしておくことも重要です。延命治療の有無、介護施設の希望など、家族と話し合っておくことで、将来の不安を軽減できます。
関連記事:終活ノート完全ガイド!書き方から選び方、デジタル終活まで徹底解説
70代の終活・断捨離でよくある質問
70代の終活・断捨離に関するよくある質問にお答えします。
【疑問1】断捨離はいつから始めるべきですか?
A.早めに始めるほど、体力的に余裕を持って進められます。70代になったら、すぐにでも始めることをおすすめします。
【疑問2】思い出の品が捨てられません。
A.無理に捨てる必要はありません。写真に撮ったり、デジタル化したりして形を変えて残す方法もあります。どうしても捨てられない物は、一部だけ残しても良いでしょう。
【疑問3】断捨離を始めるにあたって、家族に相談したほうが良いですか?
A.特に、思い出の品や貴重品を処分する場合は、家族とよく話し合って進めることが大切です。トラブル防止のためにも、家族の意見を尊重しましょう。
【疑問4】体力的に断捨離が難しい場合はどうすれば良いですか?
A.家族や友人にお手伝いをお願いしましょう。また、不用品回収業者やシニア向け整理収納サービスなどを利用するのもおすすめです。
【疑問5】デジタル機器のデータ整理が不安です。
A.家族に相談するか、デジタルデータ整理サービスを利用しましょう。パスワード管理なども含め、専門業者に相談することで安心して進められます。
【疑問6】遺言書は必ず作成するべきですか?
A.遺言書は、あなたの意思を明確に伝える大切な手段です。相続トラブル防止のためにも、遺言書を作成することをおすすめします。
【疑問7】断捨離後に後悔しないか不安です。
A.断捨離は、本当に必要な物を見極める良い機会です。迷った場合は、一旦保留ボックスに入れて、一定期間様子を見てから判断しましょう。
70代からの終活、断捨離で軽やかに新しいスタートを!
70代からの終活は、人生の集大成。残りの人生をより豊かに、そして自分らしく過ごすための準備期間と言えるでしょう。
断捨離はその第一歩として、不要な物を整理するだけでなく、心も軽やかにし、本当に大切な物を見つめ直す機会を与えてくれます。
これからの時間をどう使いたいのか、どんな未来を描きたいのか、断捨離を通して見つめ直してみませんか?
もしかしたら、あなたの大切な物や資産が、未来の社会を支える力になるかもしれません。
そして、自身の遺産について考えたり、社会貢献への意識が芽生えたりした場合は、遺贈寄付という選択肢も検討してみてください。
遺贈寄付は、あなたの想いを未来へつなぎ、社会貢献にもつながる、新たな終活の形です。「遺産寄付はじめてガイド」で、その可能性を探ってみませんか?