社会貢献のために「遺産を寄付したい」と考えている人もいるのではないでしょうか。この記事では遺産の寄付を考えている人へ向け、以下の内容をお伝えします。
- 遺産を寄付する方法
- 寄付する人物による税金の違い
- 遺産を寄付するまでの流れ
- 遺産を寄付する際の注意点
遺産の寄付は相続税の発生や遺言書の作成など、慣れない手続きが含まれる場合もあります。正しいやり方を知ることで失敗を防ぎやすくなるため、ぜひ最後まで記事をご覧ください。
遺贈寄付に少しでも関心を持たれている方には、はじめの一歩として、
遺贈寄付を行っている団体のパンフレット取り寄せをおすすめしています(無料)。
どの団体も厳しい国の審査を受けた信頼できる団体です。ぜひこの機会にご活用ください。
また、すでに遺贈寄付の条件が固まっている方や、
「国際協力」「子どもの貧困」など支援したい分野が決まっている方には、
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- 1 遺産を寄付するには「遺贈」をおこなう
- 2 遺産を寄付する人によって発生する税金が異なる?違いを解説!
- 3 遺産を寄付する流れを4ステップで解説
- 4 遺産のおすすめ寄付先を紹介
- 4.1 【寄付先1】認定NPO法人 国境なき医師団日本:医療が届かない人びとのもとへ駆け付ける
- 4.2 【寄付先2】公益財団法人 日本ユニセフ協会:すべての子どもに希望と未来を
- 4.3 【寄付先3】認定NPO法人 ピースウィンズ・ジャパン:世界各地で活動する日本発祥のNGO
- 4.4 【寄付先4】公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン:100年以上の歴史を持つ子どもの権利のパイオニア
- 4.5 【寄付先5】認定NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン:2億人以上の子どもの生活を改善してきた実績
- 4.6 【寄付先6】認定NPO法人 国境なき子どもたち:国境を超えてすべての子どもに教育と友情を
- 4.7 【寄付先7】認定NPO法人 ロシナンテス:「医」を広範囲で捉え支援地の自立支援を行う
- 5 遺産を寄付する際に知っておきたい3つの注意点
- 6 遺産を寄付する際によくある疑問3つ
- 7 まとめ:本人による遺贈や相続人の手続きで遺産を寄付できる
遺産を寄付するには「遺贈」をおこなう
遺産を寄付する方法として、「遺贈」というやり方があります。遺贈とは、個人や団体へ遺産を譲与する手続きです。遺言書へ遺贈について記しておけば、法定相続人以外の人物やNPO団体へ遺産を寄付できます。
遺贈により遺産を受け取る側を「受遺者」と呼びます。受遺者は個人や法人を問わないため、NPOや国・地方自治体へ遺産の寄付ができますよ。
遺贈については以下の記事で解説しているので、さらに詳しく知りたい方はこちらもご一読ください。
>>遺贈とは?贈与・相続との違いや手続きの流れ、注意点を解説!
遺産を寄付する人によって発生する税金が異なる?違いを解説!
遺産の寄付と一口にいっても、寄付する人の立場によって手続きの流れや税金の扱いには違いがあります。
- 遺産の持ち主である本人が寄付する場合:受遺者(寄付先)に税金が課される
- 遺産を受け取った相続人が寄付する場合:相続人に税金が課される
基本的には上記のように課税されますが、一定の条件を満たせば非課税になるケースもあります。それぞれの税金の違いについて見ていきましょう。
遺贈寄付に少しでも関心を持たれている方には、はじめの一歩として、
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1.本人が遺産を寄付する
財産の持ち主である本人が遺贈寄付の手続きを行った場合、遺産を受け取った受遺者に相続税が発生します。なお、相続税は個人に課される税金であり、法人へ遺産を寄付した際は法人税が課されます。
ただし例外として、認定NPO法人など一部の団体への遺贈寄付は、相続税がかかりません。
【遺贈による税金が非課税となる団体】
- 国・地方公共団体
- 公益事業をおこなう法人
- 認定NPO法人
遺贈による税金の発生有無については、受遺者となる人物や団体とあらかじめ認識をすり合わせておきましょう。
2.遺産を受け取った相続人が寄付する
原則として相続財産を受け取った人には相続税が発生します。そのため相続人が遺産を寄付する場合でも、相続人は税金を支払う必要があります。
ただし、以下の条件を満たしたうえで遺産を寄付すれば相続税はかかりません。
【相続税が非課税になる条件】
- 受け継いだ財産の形を変えずに寄付している
- 相続税の申告期限までに寄付している
- 遺産の寄付先が特定公益法人である
- 「寄付した財産の明細書」と「相続税非課税法人証明書」を相続税の申告時に提出している
「財産の形を変える」とは、不動産として受け継いだ遺産を現金に換えて寄付するなどの行為です。相続税の負担を減らすためにも、非課税になる条件は覚えておくと安心です。
寄付する人物が本人なのか相続人なのかによって、税金の課税条件が変わることが分かりました。それでは、実際にどのような手続きを経て遺産を寄付するのでしょうか。続いては遺産を寄付するまでの流れをお伝えします。
遺産を寄付する流れを4ステップで解説
本人が手続きするケースを想定し、遺産を寄付するまでの流れの一例を、4ステップでまとめました。ぜひ参考にしてください。
- 専門家へ相談
- 遺言書の作成・保管
- ご逝去による遺言開示
- 遺言執行(寄付)
それぞれのステップについて、さらに詳しく見ていきましょう。
ステップ①専門家へ相談
まずは寄付先団体の担当者や弁護士などの専門家へ、遺産を寄付したい旨を相談します。地方自治体へ寄付したい場合、役場に相談できる窓口があるか確かめてみるのも一つの手です。
また、寄付先によっては受け付け不可の財産を定めている場合があります。寄付の相談をする際は、どのような遺産をいくらほど寄付したいか考えておくとスムーズに相談できます。
「いきなり団体に相談するのは気後れする」という方は、まずは団体が用意している遺贈パンフレットを取り寄せるのも良いでしょう。パンフレットの請求方法は団体によって異なります。
なおgooddoマガジンでは、厳選したおすすめ寄付先団体からまとめて遺贈のパンフレットを請求できるサービスを実施しています。パンフレットの無料請求は下記から行えますので、ぜひチェックしてください。
ステップ②遺言書の作成・保管
続いては、遺産の寄付について記した遺言書を作成しましょう。遺言書は正しい形式で作成する必要があり、万が一不備があると遺言が無効になりかねません。
遺言書の形式には、公正証書遺言と自筆証書遺言の大きく2種類があります。それぞれの違いは以下の通りです。
- 公正証書遺言:公証人立会いのもと公証役場で作成・保管する(有料)
- 自筆証書遺言:自筆で作成し、自宅で保管する(無料)
公正証書遺言は手数料がかかりますが、確実な遺言書を作成でき、紛失の心配も少ないです。自筆証書遺言は自分のタイミングで作成できる良さがありますが、内容の不備や自宅保管による紛失に気を付けなければなりません。
ステップ③ご逝去による遺言開示
遺言書を遺したご本人様が亡くなられた後、遺言書が開示されます。
注意したいのは、遺言書を相続人が勝手に開封すると、罰金を課される可能性がある点です。特に、自筆証書遺言は開封前に家庭裁判所の検認を受けなければなりません。
相続人はもし家族の遺言書を発見してもむやみに開封せず、家庭裁判所へ持ち込むようにしましょう。
ステップ④遺言執行(寄付)
遺言書の開示後、遺言に従って指定の人物や団体へ寄付がおこなわれます。遺言執行まで速やかにおこなうには、遺言執行者を定めておくのも一つの選択肢です。
遺言執行者は相続人への遺言内容の通知や、遺言執行のための公的手続きなどを引き受けます。未成年者や破産者以外なら遺言執行者になれるため、親族や専門家などへ依頼することも検討してみましょう。
ここまで読んで「流れは分かったけど、どんな団体へ寄付すればいいか分からない」という人もいるのではないでしょうか。そこで次は、gooddoマガジンがおすすめする遺産の寄付先団体を紹介します。
遺産のおすすめ寄付先を紹介
遺産の寄付先としておすすめの団体は下記です。
- 認定NPO法人 国境なき医師団日本
- 公益財団法人 日本ユニセフ協会
- 認定NPO法人 ピースウィンズ・ジャパン
- 公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
- 認定NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン
- 認定NPO法人 国境なき子どもたち
- 認定NPO法人 ロシナンテス
なぜ上記団体がおすすめなのか、ポイントは4つあります。
- 遺贈寄付が非課税になる
- 事前問い合わせが可能
- 遺贈寄付の受け入れ実績が豊富
- 寄付の使い方について明確に情報開示している
次は各団体の活動内容や寄付の使い道、専門家の注目ポイントを紹介します。
またgooddoマガジンでは、上記団体から遺贈寄付パンフレットをまとめて無料で資料請求できるサービスを提供しております。
資料請求は団体紹介の最後から行えますので、遺産の寄付を考えている方はぜひチェックしてください。
【寄付先1】認定NPO法人 国境なき医師団日本:医療が届かない人びとのもとへ駆け付ける
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紛争や自然災害、貧困などにより危機に直面する人びとに、独立・中立・公平な立場で緊急医療援助を届けています。緊急事態発生から原則48時間以内に現地へ入る機動力が強みです。
活動現場で目にする人権侵害や暴力行為を国際社会に訴えかける「証言活動」も行い、医療だけでは変えられない問題の解決を目指しています。
1971年にフランスで設立。1999年には活動の実績が認められノーベル平和賞を受賞しました。
- WWF活動の資金の9割以上が民間からの寄付によってまかなわれているため、資金の独立性が保たれ、権力におもねることなく活動することができる。
- エボラウイルス病や新型コロナウイルス感染症などに対応してきた医療・人道援助活動の経験が、国や地域によって状況の異なる医療の提供に活かされている。
- 遺贈寄付の専任スタッフが配置され、不動産の遺贈を含む多くの受入実績と経験があることから、きめ細かい相談が可能。
【寄付金の主な使用用途】
紛争地や難民・国内避難民のキャンプ、自然災害の被災地で、外科治療や栄養失調の治療、基礎医療や予防接種等を無償で提供。活動資金の9割以上を民間からの寄付でまかない、本当に必要な支援だけを届けています。
【寄付先2】公益財団法人 日本ユニセフ協会:すべての子どもに希望と未来を
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ユニセフは、最も支援の届きにくい子どもたちを最優先に、約190の国と地域で活動する、子ども専門の国連機関です。世界のすべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、支援活動を展開しています。
幼少期、学齢期など子どもの成長に沿ったニーズに対応し、グローバルなインパクトのある支援が特徴です。ユニセフへ募金を届けるため、日本国内で支援窓口となっているのが、公益財団法人日本ユニセフ協会です。
- 戦後の日本に届いた脱脂粉乳(ユニセフミルク)。かつての日本と同じような境遇の子どもたちへ、ユニセフを通じて「恩送り」することができる。
- 寄付は子どもの権利を実現するため、各国政府や他の国連機関と協力したユニセフの活動に役立てられ、世界の子どもたちの明るい未来につながっていく。
- WEBサイトの「遺贈寄付ナビ」の内容が非常に充実。専門部署が対応するため、遺贈寄付を検討する人にとって安心感がある。
【寄付金の主な使用用途】
こどもの生存と成長(保健、栄養)、教育、水と衛生、子どもの保護、緊急支援など
【寄付先3】認定NPO法人 ピースウィンズ・ジャパン:世界各地で活動する日本発祥のNGO
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国内外で自然災害、あるいは紛争や貧困などによる人道危機や生活の危機にさらされた人々を、教育、水衛生、保健、シェルター、生計向上、弱者保護、物資配布などの分野で支援する団体。
日本発祥の国際NGOで、これまで36か国で活動を行ってきています。
「命を見捨てない。世界の平和をあきらめない」をモットーに、「人びとが紛争や貧困などの脅威にさらされることなく、希望に満ち、尊厳を持って生きる世界」を目指しています。
- いつ発生するかわからない国内外の災害への備えに、遺贈寄付を役立てることができる。装備や訓練の準備が整うことで、災害発生時にすぐに行動できている。
- 預貯金や現金だけなく、不動産や株式などの遺贈にも対応し、遺言書の作成段階から丁寧に相談を受け付けている。
- ピースウィンズ・ジャパンの事業の中から、あなたにゆかりのある国や地域を遺言書で指定して寄付することができる。
【寄付金の主な使用用途】
紛争や災害が起きたときに、ただちに現地に駆けつけて食糧や生活必需品・医薬品等の配付を行うため。被災地・紛争地の復興・開発支援。
【寄付先4】公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン:100年以上の歴史を持つ子どもの権利のパイオニア
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日本を含む約120ヶ国で子どもの権利を実現する活動を行う、子ども支援専門の国際NGOです。
国内では、子どもの貧困や自然災害による緊急支援などに取り組んでいます。「すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する『子どもの権利』が実現されている世界」を目指しています。
- 子ども支援専門の国際NGOとして、日本を含む世界約120ヶ国で、直接子どもの声を聴き、最前線で活動している。
- 遺贈寄付は、子どもの権利を実現するために、その時最も必要とされる活動(緊急・人道支援、保健・栄養、日本の子どもの貧困などの分野)に活用される。
- 紺綬褒章(寄付額500万円以上)を授与申請できる団体でもあり、ご寄付額を自由に決めていただける遺贈寄付を受け付けている。
【寄付金の主な使用用途】
日本を含む世界約120ヶ国での緊急・人道支援、保健・栄養、教育、子どもの保護など
【寄付先5】認定NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン:2億人以上の子どもの生活を改善してきた実績
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約100ヵ国において、キリスト教精神に基づき、困難な状況で生きる子どもたちのために活動する、世界最大級の子ども支援専門の国際NGO。支援地の子どもと支援者とのつながりを大切にしています。
宗教、人種、民族、性別にかかわらず「すべての子どもたちが健やかに成長できる世界」を目指しています。
- 遺贈寄付の資金使途について、寄付者にふさわしい支援の提案が受けられる。オーダーメイドの事業を立ち上げることも可能。
- スタッフのサポートのもと、遺族やチャイルド・スポンサーが支援地域を訪問することも可能。銘板の設置など生きた証を残すことができる。
- 公証人や専門家に相談するときにお渡しできる文書を提供するなど、遺贈寄付の初心者に準備段階から丁寧に寄り添っている。
【寄付金の主な使用用途】
世界の子どもたちへの貧困、教育、水衛生、難民、保健、災害に関する問題の解決
【寄付先6】認定NPO法人 国境なき子どもたち:国境を超えてすべての子どもに教育と友情を
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親元を離れ、路上で暮らすストリートチルドレンは世界に1億人以上いるとも言われています。貧困ゆえに暴力や虐待などの危険にされされる子どもたち、また紛争の被害にあった子どもたち。彼らが健やかに成長し自立するには、日本の子どもたちが教育を10年以上にわたり受け続けるのと同様、十分な時間と費用が必要です。
国境なき子どもたち(KnK)は、「国境を超えてすべての子どに教育と友情が届く社会」を目指し、アジアと中東で教育支援を続けています。
- 社会貢献意識の高い多数の士業が、業務提携パートナーとして関わり、遺贈寄付の相談を円滑に受け入れる体制が整っている。
- 少額の遺贈寄付でもスラム地域の子どもたちの基礎教育に十分活かされ、高額寄付の場合は自立支援施設に記念のプレート提示などもできる。
- 海外と日本の子どもたちが交流プログラムを通じて友情を育み、共に成長する社会をつくる活動のために遺贈寄付が使われる。
【寄付金の主な使用用途】
・カンボジア、フィリピン、バングラデシュの子どもたちに安全な居場所と教育機会を提供。
・シリア難民の子どもたちに情操教育を提供。
・日本と海外の子どもの交流・相互理解を促進し、支え合える次世代を育成。
【寄付先7】認定NPO法人 ロシナンテス:「医」を広範囲で捉え支援地の自立支援を行う
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スーザン・ザンビアを中心に医療が受けられない地域に住む人々へ「医」を届けている日本発祥の国際NGO。
無医村を巡回診療し一般診察や予防接種などの医療を届けるだけでなく、給水所の整備や学校建設にも取り組んできました。「医療」がスムーズに提供されるためには「医」を広くとらえ衛生設備の普及や人材育成に取り組むことが必要、と考え活動している点がロシナンテスの特徴です。
支援地域の人たちだけで医療を継続できる仕組みが根付くことを目指し活動しています。
- 途上国に水と医療を届ける日本発祥の国際協力団体。遺贈寄付は少額から受け付けており、巡回診療・診療所建設・水衛生事業などに使われる。
- 冠基金にも対応しており、寄付金で建設された学校の門にアラビア語と日本語で寄付者のネームプレートが設置された例もある。
- 認定NPOであることから、相続財産からの寄付の場合でも、寄付した財産は相続税の対象財産から控除される。
【寄付金の主な使用用途】
スーダン、ザンビアで行う保健医療や水衛生事業に使われる。診療所や妊産婦待機施設の建設費用、スーダンの医療関係者の研修費用など。使い道は、めまぐるしく変化する活動地の情勢に応じ団体が決定。
特定の団体ではなく、遺贈寄付に少しでも関心を持たれた方には、はじめの一歩として、
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遺産を寄付する際に知っておきたい3つの注意点
遺産の寄付を考えるにあたり、以下3つが注意点となります。
- 相続人の遺留分に配慮して寄付額を決める
- 現物寄付はみなし譲渡課税が発生する場合がある
- 包括遺贈で寄付すると負債も含まれる
これら3つに気をつけることで、遺族や寄付先に迷惑をかけずに遺産を寄付しやすくなります。それぞれの注意点を見ていきましょう。
注意点①相続人の遺留分に配慮して寄付額を決める
寄付金額を決めるときは、相続人の遺留分に配慮が必要です。遺留分とは、法定相続人が最低限受け取れる遺産のこと。遺留分制度は法で定められており、法定相続人は遺留分を受け取る権利を主張できます。
例えば「すべての遺産を寄付する」といった内容を遺言書へ記すと、相続人は遺産を受け取れないことになります。そこで相続人が遺留分を主張した場合、寄付先と遺産を巡る問題に発展することも考えられるでしょう。
相続人の遺留分に配慮した額を寄付すれば、相続人と寄付先のトラブルを防ぎやすくなります。
注意点②現物寄付はみなし譲渡課税が発生する場合がある
不動産や株式など現物資産を寄付すると、みなし譲渡課税が発生する可能性があります。みなし譲渡課税は、含み益のある資産に対して発生する税金です。
みなし譲渡課税で注意したいポイントは、税金を支払うのは寄付先(受遺者)ではなく法定相続人となる点です。相続人がみなし譲渡課税について知らされていない場合、いきなり納税義務が生じると驚くことでしょう。
みなし譲渡課税の納税者は遺言により変更できます。相続人の負担を減らしたい場合は、寄付先の団体や弁護士などと相談しながら、みなし譲渡課税の納税者を決めましょう。
注意点③包括遺贈で寄付すると負債も含まれる
遺産の寄付方法を「包括遺贈」にすると、資産だけでなく負債も寄付金額に含まれます。遺贈には種類があり、包括遺贈は遺産の割合のみ指定して遺贈することです。例えば「遺産の3割を寄付」とした場合、資産と負債を合わせた遺産全体から3割を寄付します。
負債を寄付しない方法としては「特定遺贈」があります。特定遺贈は遺産の種類と額を指定して遺贈するため、負債を含まずに寄付することが可能です。
遺産に資産だけでなく負債もある場合は、包括遺贈と特定遺贈どちらで寄付するか検討してみましょう。
以上が遺産を寄付する際の3つの注意点でした。遺産の寄付は複雑な部分もあるため、情報は多く集めておくに越したことはありません。最後によくある疑問もまとめたので、こちらの情報もご覧ください。
遺産を寄付する際によくある疑問3つ
ここでは、遺産の寄付でよくある疑問3つにお答えします。
- お香典の寄付って何?
- お寺に遺産を寄付できる?
- 自治体に遺産を寄付できる?
さっそく見ていきましょう。
1.お香典の寄付って何?
お香典の寄付とは、香典返しの費用全額または一部を寄付にあてることです。NPOなどさまざまな団体で、お香典の寄付を受け付けています。
本来、お香典をいただいた人に対して香典返しはおくるもの。しかし、故人の気持ちを尊重する一つの形として、お香典の寄付があります。故人が生前から寄付に熱心な人だった場合などは、香典返しを寄付することで会葬者も故人の気持ちを尊重できるのではないでしょうか。
2.お寺に遺産を寄付できる?
お寺は基本的に非営利団体のため寄付が可能です。寄付するお寺が宗教法人の場合は、寄付による相続税や法人税が原則として発生しません。
お寺へ寄付したお金は、寺院の修繕などに活用されます。さらに詳しい話はお寺の担当者に聞けるため、気になる場合はお寺へ直接問い合わせてみてください。
3.自治体に遺産を寄付できる?
自治体でも遺産の寄付を受け付けています。
自治体へ寄付したお金は、町づくりなどに活用されます。自分の住んでいる町や故郷だけでなく、親しみのある土地の自治体へ寄付することも可能です。
自治体への寄付は、市区町村役場へ相談してみると詳しい話を聞けます。
まとめ:本人による遺贈や相続人の手続きで遺産を寄付できる
今回は遺産の寄付についてお伝えしました。記事の内容を以下にまとめます。
- 遺産を寄付するには遺贈の手続きをする
- 本人が寄付する場合と、相続人が寄付する場合で税金が変わる
- 遺産を寄付するには遺言書を作成し、必要に応じて遺言執行者を決める
- 相続人の遺留分やみなし譲渡課税の納税者などについては、専門家へ相談する
遺産の寄付は最期の社会貢献となる行いです。複雑な手続きや専門的な知識を要するため、専門家の力があれば自分一人で手続きを進めるより安心できます。寄付先の担当者や弁護士へ相談しながら、寄付の準備を進めてみてくださいね。
なお「いきなり寄付先に問い合わせたり専門家に相談したりするのはハードルが高い」という方は、まずは遺贈のパンフレット請求から始めてみるのはいかがでしょうか。
遺贈寄付に少しでも関心を持たれた方には、はじめの一歩として、
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「国際協力」「子どもの貧困」など支援したい分野が決まっている方には、
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