人生100年時代と言われる現代、残された人生をどう生きるか、そして何を未来に残すかを考える機会が増えています。そんななか、大切な資産を有効活用し、社会貢献につなげる方法として、遺贈や死因贈与が注目されています。
この記事では、遺贈と死因贈与の違いや遺贈寄付によって実現できる未来について詳しく解説します。
なお、すでに遺贈寄付の条件が固まっている方は、国内最大規模のポータルサイト「遺贈寄付ガイド」であなたにぴったりの団体を探してみてください。
遺贈と死因贈与:それぞれの違いを分かりやすく解説
遺贈とは?
遺贈とは、遺言によって財産を特定の個人や団体に無償で与えることです。相続とは異なり、法定相続人以外へも財産を譲ることができます。
遺贈は、遺言によって行われます。遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の状況に合わせて選択することが重要です。
例えば、自筆証書遺言は費用がかからない反面、要件を満たしていないと無効になる可能性があります。一方、公正証書遺言は費用はかかりますが、公証人が作成するため、無効になるリスクが低く、安全です。
死因贈与とは?
死因贈与は、贈与者の死亡を条件として、財産を特定の個人や団体に無償で与える契約です。贈与者と受贈者間で契約を結ぶため、遺言とは異なる手続きが必要です。
死因贈与は、贈与契約を締結する必要があるため、受贈者の同意が必要となります。贈与契約を行う場合は、公正証書にすることが推奨されます。公正証書にすることで、契約内容の明確化、法的効力の強化、トラブル発生時の証拠としての役割を果たすことができます。
また、死因贈与は、贈与者の死亡時に効力が発生するため、生前に財産の処分を制限されることはありません。
項目 | 遺贈 | 死因贈与 |
どういうもの? | 遺言書で「自分が亡くなったら、この財産をあげます」と決めておくこと。 | 生きているうちに「亡くなったら、この財産をあげます」と契約しておくこと。 |
手続き | 遺言書を自分で書いておく。 | あげる人と受け取る人が事前に契約を結ぶ必要がある。 |
途中で変えられる? | 亡くなる前なら、何度でも変更や取り消しが可能。 | 一度契約すると、原則として変更や取り消しが難しいが、条件によっては可能。 |
自分の意思 | 遺言書に書くことで、亡くなった後も自分の意思を伝えられる。 | 契約のため相手の同意も必要。 |
税金 | 遺産として「相続税」がかかる。 | 遺産として「相続税」がかかるが、不動産を贈与された場合は「贈与税」の対象になる。 |
家族への影響 | 家族が「最低限の財産をもらう権利」を主張できることがある。 | 家族からの主張も可能だが、証明が難しい場合がある。 |
遺贈は「遺言書」という意思表示書によって、死因贈与は贈与契約という「契約書」によって行われます。
遺贈は遺言書によって財産を特定の人に渡す方法であるため、遺贈に関して作成されるのは「遺言書」であり、契約書ではありません。
一方で、死因贈与を行うためには、贈与契約書を作成する必要があります。この契約書は、贈与者(財産を贈与する人)と受贈者(財産を受け取る人)の合意内容を明確にし、将来のトラブルを未然に防ぐための重要な書類です。
死因贈与契約書の作成と必要書類
ここからは、死因贈与における契約書作成のポイントと必要書類について詳しく解説します。
死因贈与契約書の必須項目
死因贈与契約書には、以下の項目が必ず含まれていなければなりません。これらの項目が不足していると、契約自体が無効となる可能性がありますので、注意が必要です。
- 贈与者と受贈者の氏名・住所:双方の身元を明確にするために必要です。
- 贈与財産の特定:不動産であれば所在地や地番、預貯金であれば金融機関名や口座番号など、具体的に特定する必要があります。
- 死因贈与であること:死亡を原因とする贈与であることを明記します。
- 贈与の目的:贈与の目的を記載することで、受贈者への想いを伝えるとともに、誤解を防ぎます。
- 贈与契約の成立日:契約が成立した日付を明確に記載します。
- 贈与者と受贈者の署名・押印:双方の合意に基づいて契約が成立したことを証明するために必要です。
死因贈与契約書の必要書類
死因贈与契約を公正証書にする場合、一般的に以下の書類が必要です。
- 贈与者と受贈者の印鑑証明書:それぞれ発行から3ヶ月以内のものが必要です。
- 贈与財産に関する書類:不動産であれば登記事項証明書、預貯金であれば通帳のコピーなど、贈与する財産の種類によって必要な書類が異なります。
- 手数料:公正証書作成の手数料は、贈与財産の価額によって異なります。
公正証書でトラブル回避
死因贈与契約は私文書でも作成できますが、公正証書にすることをおすすめします。公正証書は、公証役場で作成するため、原本が保管され、紛失や改ざんの心配がありません。
公正証書の作成費用は、遺贈する財産の価額によって異なります。例えば、1,000万円の財産を遺贈する場合、2万円前後の費用がかかります。
遺贈寄付についてよくある質問
【疑問1】遺贈できる年齢は?
遺贈は、民法により満15歳になると単独で行うことが可能です。
【疑問2】遺言書は無効になるケースがある?
一定の要件を満たしていない場合、遺言書が無効になるケースがあります。
【疑問3】遺贈はどんな財産でもできますか?
現金や預貯金、不動産、株式などのほか、自動車や美術品、骨董品など、基本的にどのような財産でも遺贈することができます。
【疑問4】遺言書を作成した後、内容を変更することはできますか?
遺言書の作成後でも変更・取り消し はできます。ただし、公正証書遺言の場合は、再度公証役場での手続きが必要となります。
【疑問5】遺贈寄付をする際に税金はかかりますか?
国や地方公共団体、認定NPO法人などに寄付をした場合は、相続税はかかりません。
遺贈寄付に少しでも関心を持たれた方には、はじめの一歩として、
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また、すでに遺贈寄付の条件が固まっている方や、
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遺贈寄付で社会に貢献:未来へのバトンタッチ
遺贈寄付は、あなたの想いを未来へつなぐ、社会貢献の一つの形です。少額からでも寄付は可能であり、その想いは確かに受け継がれ、社会の様々な課題解決に役立てられます。
例えば、医療の発展、教育支援、環境保護、災害復興支援など、あなたが大切に思う分野に貢献することができます。
団体への遺贈寄付で実現できること
遺贈寄付によって、様々な社会貢献活動が実現できます。
- 医療研究への支援:がんや難病の治療法開発、医療機器の開発など、医療研究は常に資金を必要としています。遺贈寄付によって、最先端の医療研究を推進し、多くの命を救うことに貢献できます。
- 教育支援:経済的な理由で教育を受けられない子どもたちへの奨学金支給、学校施設の整備、教育プログラムの開発など、教育分野における支援は未来への投資です。遺贈寄付によって、子どもたちの才能を育み、より良い未来を築く手助けができます。
- 環境保護活動:森林保全、絶滅危惧種の保護、環境教育の実施など、地球環境を守るための活動は、私たちの未来にとって不可欠です。遺贈寄付によって、豊かな自然環境を次世代へつなぐことができます。
- 災害復興支援:地震や台風などの自然災害が発生した場合、被災地の復興には多大な時間と費用がかかります。遺贈寄付によって、被災者の生活再建、インフラ復旧、心のケアなど、多岐にわたる支援活動を行うことができます。
- 文化・芸術の振興:美術館や博物館の運営、アーティストの育成、伝統芸能の保存など、文化・芸術活動を支援することは、私たちの生活を豊かにし、心の潤いを育むことにつながります。遺贈寄付によって、文化・芸術の灯を未来へつないでいくことができます。
- 動物愛護活動:保護犬・保護猫の支援、動物虐待防止活動、野生動物の保護など、動物愛護団体は様々な活動を行っています。遺贈寄付によって、動物たちの福祉を守り、人と動物が共生できる社会の実現に貢献できます。
これらの事例はほんの一部です。遺贈寄付は様々な分野で、多様な形で社会貢献を実現することができます。あなたの想いに合った団体を選び、未来へつなぐバトンを託してみてはいかがでしょうか。
遺贈・死因贈与で自分らしい未来を創造しませんか?
この記事では、遺贈と死因贈与の違い、契約の基礎知識、そして遺贈寄付について解説しました。
「自分らしい人生の締めくくり方を考えたい」「社会に貢献できる方法を探している」そんな方は、ぜひ一度、遺贈寄付について考えてみませんか?
まずは支援したい団体を選び、専門家の助言を受けながら遺言書を作成し、寄付の準備を進めていきましょう。
遺贈寄付に少しでも関心を持たれた方には、はじめの一歩として、
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<記事監修>
一般社団法人 全国レガシーギフト協会 理事/遺贈寄附推進機構 株式会社 代表取締役
信託銀行の本部にて、全国の営業店から1500件以上の相続トラブルと10,000件以上の遺言の受託審査に対応。遺贈寄付の希望者の意思が実現されない課題を解決するため、2014年に弁護士・税理士らとともに勉強会を立ち上げ(後の全国レガシーギフト協会)。2018年に遺贈寄附推進機構株式会社を設立。日本初の「遺言代用信託による寄付」を金融機関と共同開発。